ボーイ・イン・ザ・ボックス
2016/09/24
1957年、アメリカ・ペンシルバニア州フィラデルフィアの大手デパートチェーン店で身元不明の一人の男児の遺体が揺り籠の空き段ボールに毛布にくるまれた状態で遺棄されているのが発見された。
通称ボーイ・イン・ザ・ボックスと呼ばれる事件である。
男児の年齢はおよそ4、5歳とみられ、第一発見者の男性は警察の事情聴取の際、当初マスクラット捕獲用の罠を仕掛けていたところ発見したと語っていたが、後に実は彼の習慣である近くの女子校への覗きをするためにこの場所にいたということを明かした。
当初から犯人の足取りをつかめるような重要な証拠らしきものはほとんどなく、捜査は困難を極めた。
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数多くの仮説が捜査機関から挙げられ、マスコミもこの事件をこぞって取り上げた。
海外では日本と違って超能力による捜査協力も重要なものとして扱われるが、この事件でもある女性超能力者に協力を仰ぎ、男性医務鑑が実際にこの超能力者に接触して行うべき操作方針のアドバイスを得た。
超能力者は捜査すべき家の特徴などを伝えると、男性はその特徴に合致する場所を探し出した。
そこは事件現場から数キロほど離れた児童養護施設であった。
この施設には遺体遺棄現場となったデパートに売られている揺り篭や、遺体をくるんでいた毛布とよく似たものが物干しざおに干されていたことから、本格的にこの施設に疑いの目を向けることになる。
男性はこの施設の経営者一家が何らかの形で事件にかかわっていると考えたが、施設と男児の関係を決定づけるような具体的な証拠は出てこず、後の警察の事情聴取でもこの一家と事件の関係はないと断定され、この仮説に対しての操作は打ち切られることとなった。
そしてもう一つ、事件解決の為に非常に重要だと思われた『M』と名乗る女性の証言があった。
この女性の証言によれば、男児を殺害した犯人は自分の母親であるというものであった。
この母親は男児の実の母親ではないが、男児を生みの親である両親から金で買い取ったのだという。
以前から虐待癖のあった母親は男児をおよそ2年間にわたり虐待をし続けた。
それを裏付けるかのように遺体となって発見された男児の体には多数のあざが発見されている。
ある日、男児が浴室で嘔吐したことに激高した母親はこの男児を床にたたきつけ殺害した。
遺体を隠すため車で人里離れた場所に運び段ボールに入れ遺棄したという。
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トランクからこの男児の遺体を出そうとしたとき、たまたまバイクに乗った男性が通りかかり『故障ですか?お手をお貸ししましょうか?』とよってきたので母親はあわてて『なんでもありません。大丈夫です。』と断ったとも証言した。
遺体を遺棄する際に身元を隠すために男児の髪の毛を切ったとMは証言したのだが、その証拠に頭髪は雑に切られたようになっており、その遺体には多数の切られた頭髪が付着していた。
しかし重要と思われたこのMの証言であったが、Mには精神病の病歴があり、このことが原因で信憑性を欠き警察は慎重に捜査を進めた。
Mの実家の近所への聞き込み調査の結果、男児を見たという者は誰一人おらず、虐待があったこと自体を否定する者もおり、この説も決定的なものとはなりえなかった。
このように捜査は大規模な物へと発展していったが、今現在この事件の真犯人はつかまっておらず、それどころかこの男児の身元すら不明のままである。
アメリカでは有名な未解決事件の内の一つのようだ。
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