三人の子供に起きた不思議な出来事、ファティマの聖母
2016/09/24
ポルトガルにあるファティマという小さな町で1916年、不思議な出来事が起こった。
伝説的な話には作り話が多い中、このファティマの聖母に関しては国家が正式にその存在、実際に起きた奇跡を認めているという点が大きな特徴であろう。
当時、批判的な見方をしていた新聞記者でさえ奇跡と言われた不思議な出来事を目の当たりにし信じざるを得なかったという。
この一連の出来事の発端は一人の若者の出現で幕を開ける。
ある日、年齢にして15歳くらいの若者が突如現れ、ルシア、フランシスコ、ヤシンタという名の子供三人に祈りの言葉と祈り方を教えた。
この若者は自らを天使と自称し、この天使の出現を期に不思議な現象が起こるようになる。
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天使と自称する若者は日付、場所を指定してまた会いにくるよう子供達に言い、天使の訪問はその後も続いたという。
その約一年後の1917年5月13日、自身を聖母マリアであると自称する1人の婦人が現れた。
彼女は次から次へと科学ではおよそ説明のつかないような不思議な現象を起こしたといわれる。
彼女は毎月13日に同じ場所へ会いにくるよう子供たちに命じ、世界平和に関わるような重要なものまで様々なメッセージを伝えた。
この聖母マリアとされる女性が伝えたメッセージは主に以下の3つである。
第一のメッセージ『地獄の実在』
地獄は人間が創り出した想像上のものではなく、実在するものであると言った。
彼女によれば、この世での行いの悪かったもの、罪人は地獄へ行き、二度と戻ってくることは出来ないという。
子供たちは彼女から地獄のビジョンを見せられ、そのあまりの恐ろしさから言葉を失い、戦慄する程だった。
第二のメッセージ『戦争に関すること』
このとき、世界は第一次世界大戦の真っ最中であった。
彼女はこの第一次世界大戦は間もなく終結し、新たな大規模戦争が起こると伝えた。
また、この戦争の前兆として不気味な光が射すと予言した。
彼女の言う通り、この後間もなくして第一次世界大戦は終焉し、第二次世界大戦が勃発する。
またこの第二次世界大戦の直前、ロシアでは大規模なオーロラが観測され、これが彼女の言う光だとされている。
第三のメッセージ『秘密』
第三のメッセージは1960年までは教皇庁は公表せず、秘密にせよというものであった。
しかし、教皇庁は1960年になっても公にこのメッセージを発表する事はなく、結局2000年に公表されるまで隠し続けられたのだった。
40年もの間、その公表を渋った教皇庁の対応に世間からは世界の終末など、それこそオカルトと捉えられるような内容に及ぶまで様々な憶測が飛び交った。
2000年、教皇庁が正式に発表した内容は『教皇暗殺の危機』だとしたが、教皇暗殺の危機というのは教皇庁が40年間もの間発表を避けてきたほどのものに相当しないこと。
また聖母マリアから直接教皇庁への伝言を授かった少女、ルシアが教皇庁の発表は重要な部分のほとんどが隠された虚偽のものであるといったこと等からもその信憑性が怪しまれている。
ルシアという女性が2005年、97歳でその生涯を終えた今、この『真の』第三のメッセージを知るものは教皇庁以外に他はない。
ちなみに直接聖母マリアからの伝言を託されたこの三人の子供たちは小さいころから良く不思議な体験をしていたようだ。
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聖母マリアが起こしたと言われる奇跡で有名な物に『群衆の目の前で起きた太陽の異常行動』がある。
この聖母マリアの噂は出現以来人から人へたちまち知れ渡り、マスコミも注目した結果、不思議な現象を一目見ようと出現場所には多くの群衆が集まるようになっていた。
服が雨に濡れていたこの群衆の目の前で彼女の出現に際し太陽が上がったり下がったり、回転したりといった異常な行動をして、そのあまりの光と熱により群衆の服は一瞬にして乾いてしまった。
この事実は当時の新聞でも大々的に取り上げられていることから疑いようのない事実であるが、考えにくい話ではあるもののそれが何百人という群衆が同時に幻覚を見たという意味での『事実』なのか、物理的には考えられない現象という意味での『事実』なのかはわからない。
しかし多くの人々がその不思議な現象を目の当たりにしたこと。そしてカトリック教会がこの現象を聖母マリアの出現として正式に認めていることは事実なのである。
その証拠に現在でも聖母が出現した5月13日はファティマの記念日として制定されているようだ。
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